富田俊明

プロジェクト

善福寺公園&最悪ガイドツアー
ガイドツアー、ワークショップ、パフォーマンス、ブログ。 Open Air Art Exhibition 「トロールの森09」、善福寺公園, 2009年




「トロールの森09」のために、ワークショップ=ガイドツアーを準備した。
展示に先駆けて、ガイドツアーの開催と参加者の募集をするとともに、ガイドであるぼくは、舞台となる善福寺公園の存在すら知らなかったほど、公園について何も知らないことを明らかにした。<最悪>という言葉は、このガイドの有り様を顕してもいる。善福寺公園について何も知らない、というキャッチは、場所の知識によってではなく、人間の知識でガイドする、場所へではなく人間の感覚へとナヴィゲートするためのものだ。

第一回最悪ガイドツアーでは、ガイドであるぼくは、ガイドとしてのイニシアティヴを放棄し、かわりに、すでに公園にいる人々の知識と物語をたよりに、彼らにガイドをしてもらうことにした。
第二回最悪ガイドツアーでは、<クリエイティヴ・ライティング>のある種の技法を用いて、一定の時間ノンストップで思考の検閲を外して書き続ける実験をした。ここで書かれた、ある種支離滅裂なテクストをもとに、ひとりひとり<俳句のようなもの>を制作、発表した。
第三回最悪ガイドツアーでは、<時間の感覚>に焦点を当てた。参加者とともに、ごく簡単なボディーワークによって、時間の感覚を早めたり遅くしたりした。極端に動きを制限することによって、思考と体のコントロールが乖離し、知覚そのものが変化する。このように、自分の見方が変わることによって、公園という環境やそこにいる人々と参加者自身との関係が変わること、すなわち、<世界は自分が在るように在る>ということを実際に体験した。このボディーワークは、同時に、公園にいる人々にとっては、パフォーマンスとして観られることも考慮していた。

善福寺公園&最悪ガイドツアーのブログでは、ツアー情報やレポートなどを公開している。 http://badguide.exblog.jp/
今後このブログに、旅のコラムなどを充実させ、<最悪ガイドブック>へと発展させることを考えている。

photo by
1st tour: masahiro murakosi
2nd tour: masaru yanagiba
3rd tour: kazuhiro masuda, mina miyahisa