富田俊明

プロジェクト

虹と風
団栗、虫の屍骸、ヴィデオ、アニメーション、ドローイング。　「ヴァナキュラー・スピリット」、国際芸術センター青森、青森、2003年

母の出身地である山形の出羽三山の修験道の峰入りに参加した時の強烈な体験をもとに、ぼくの裡にも深く根付き創造の源泉ともなっている「東北的」な感性に対するリサーチ。青森での3か月のレジデンス期間中、地元の民俗学研究者や三内丸山遺跡などでのインタヴューや、市民を対象にしたワークショップのシリーズなどを経て、「東北的」な感性をぼくなりに詩的に表現した。
早朝の森で見かけたナメクジの交尾の姿、縄文土器などに見られる小さな手作業の積み重ねの産み出す呪力、季節の移り変わりの劇的な変化とそれを越えていくような生命の虹のような流れ・・・。これらがワークショップ参加者との交流と共同製作によって、インスタレーションとして結実した。

photo: Tadasu Yamamoto